レントゲン室

病院の仕事のこと

放射線技師になった訳

私の職業は放射線技師です。

ピンとこない方は、『病院でレントゲン撮る人』というと分かりやすいかと思います。

プロフィールで少し触れましたが、ニート期間を抜くと、トータルでの職歴は技師8年目になります。

マイナーな職業なのか、新しく知り合いができたときなどよく質問されるのが、「なぜその仕事を選んだの?」です。

 

小学校~高校まで

初心にかえるつもりで自分なりの理由を語りたいと思います。

病院で働く何者かになりたいという想いは、小学校低学年の頃に定まっていました。

幼い頃はかなりどんくさくて、転んで指や肘を骨折することがありました。

そのときに診察や検査、リハビリで病院に通い詰めたのですが、普段の生活では見ることのない機械や設備、具合が悪そうにしている車椅子やベッドの患者さんの様子に衝撃を受けました。

また、リハビリを担当してくれた理学療法士の方がとても優しく、病院という空間に強い興味と憧れを持ちました。

 

 

その気持ちがもっと明確になったのは、母の体調が崩れた時です。

激しいめまいと嘔吐を繰り返し、子供ながらに母が死ぬのではないかと感じました。

当時はうまく理解できませんでしたが、母はメニエール病(耳鼻科系の病気)を患っていました。

その後にもバセドウ病(甲状腺機能亢進症)であることが分かり、寝込んで起きられない日も多く続きました。

その病気たち自体が命まで取るようなものではありませんが、きつい症状と長い期間付き合わなくてはならない疾患です。

つらい状態の母になにもしてあげられない、無力感が心に深く刻まれたのをはっきりと覚えています。

 

 

病気のことをちゃんと知れるようになりたい、病院で働く何者かになりたいという意志が生まれました。

 

 

ただ、昔は現在のようにインターネットが普及しておらず、気軽に調べ物をする手段も分からないし、恥ずかしさもあり人に相談できませんでした。

病院でどんな仕事につけるのかよくわからないまま、ぼんやりと進学校に進み大学受験の時期がやってきました。

今考えると、自分の将来に真剣に向き合っていなかった証拠ですね。

 

学力は中の上くらい、センター試験でよくて8割とれるくらいです。

病院で男の仕事=医者のイメージでしたが、学生の頃は自信がなく、現役合格の可能性の乏しい医学部医学科を受験する勇気はありません。(後に再受験に挑戦するのですが、、、)

他の職種に目を向けたとき、好きな教科だった物理学を勉強しつつ、人体について学べる診療放射線技師という職業を知りました。

自分の向き不向きを考えると、人と話をすることに苦手意識があるし、仮に医者になれたとしてコミュニケーションでトラブルや強いストレスを感じるかもしれない。

それに、技師は画像というアプローチで病気を知る手段が持てる、携わりたかった分野に少なからず関われると、放射線技師を養成する学科のある大学へ受験・進学することになりました。

 

大学~新卒での職場まで

ここからは本題から少し離れます。

大学での勉強は楽しく向き合うことができました。大学生活は特に問題なく、卒業後は地元の中核病院に就職します。

一般撮影(レントゲン)・CT・MRI・透視(胃のバリウム検査とか)・術中イメージなど、先輩方の指導のおかげもあり、ひととおりの仕事をこなせるようになり、それなりに画像を読めるようになりました。

ただ、仕事に慣れてくると欲が出てきます。「自分はもっとできる。人の役に立ちたい。病院で働くならやっぱり医者だ。」という思いに駆られてしまいました。

技師の仕事は、『患者さんの体を撮影して画像を提供するまで』であり、その画像を読影し治療に役立てるのはあくまでも医者だからと実感を持って分かったからです。

技師が画像を読めることで、検査しながら異変を見つけ、質のいい写真を撮ることで「ここに病変がありますよー」とアピールはできますが、医者がその意図を利用しなければやってる意味はないに等しいです。

直接的に患者さんに医療行為を行うことが主の医者を見てるとやっぱりカッコイイし尊敬します。

この時の感情と現役受験期に医学部を挑戦しなかったわずかな後悔がリンクしました。

 

再受験失敗と自分自身と向き合う期間

結局のところ仕事を退職し、2年間ニートの医学部再受験&編入試験に挑戦します。しかし結果は失敗に終わります。

学力が足りなかったの一言に尽きますが、それ以上に情報収集や決意が不十分だったと感じます。

なにより、医者になった後に自分がどうしたいのか具体的なプランが欠如していました。その辺が勉強のモチベーションにも関わっていました。

客観的には、この再受験は無謀で無計画に見られがちですが、思ってもみない収穫もあります。

 

それは自分自身と向き合えるのに有り余る時間が持てたことです。

再受験中に、自分が思ってた以上に放射線技師の仕事がけっこう好きだったと気付けました。働きたくなってしまいました。

そのことを改めて知ることができただけでも挑戦に意味があったのだと思います。

また、再受験時に無職状態を経験したことにより、働けることのありがたみや喜びを身に染みて感じられるようになりました。

 

 

普通の人より少し遠回りしましたが、また放射線技師として就職し直しました。

現在は縁あって整形外科クリニックに勤務しています。

仕事は楽しいです。そして色んな装置に携われる中でレントゲンが一番好きです。

なぜか?

工夫したこと、手を抜いたことがすぐ結果となって返ってくる分かりやすさ・緊張感があるからです。

患者さんの様子を見て、この骨(関節)が悪そうだからこういう角度で写してみようとか、姿勢や体格を見てこういう格好をしてもらおうとか、よりいい写真を撮るために考えることはいっぱいあります。

その狙いが当たりうまくいったときの快感は、同業者にしか理解できないかもしれません(汗)

あれやこれやと思慮を巡らすことを繰り返し、それ自身が画質の向上へ繋がり、自分自身のレベルアップを感じ取りつつ、獲得した技術が患者さんへの利益として還元できる。

よい仕事ができれば患者さんや医者から感謝され、それを励みにしながら、もっとよくできないかを実行する。

最近はこの良い循環がうまく回っています。

放射線技師の仕事において必要な能力だと思われる分析力や考察力が、自分の適正としてマッチしているのだと感じます。

 

 

「なぜその仕事を選んだの?」に対する答えですが、

『興味ある分野に関わってみたら、好きになれて、それを続けたいから』です。(ぼんやりしてるなー 笑)

 

 

 

色々書きながら、自分の仕事について、再確認&再出発ができました。

ちょっとずつでも、できないことをできるように、できることは精度を高めていけるように、という気持ちで毎日仕事と向き合っています。

より多くの人の役に立てるように精進していきたいです。

 

 

長々となりましたが、最後まで読んで頂いた方はありがとうございました。

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