ペットとしてのブタさんの栄養面について考える

追記:2020/05/19
ブタは雑食動物ですが草食動物に近い消化器官系を持つため、草食動物に近い食生活を続けることが健康的に生きていく上で重要です。
とはいえ、全て自然にある物を与えて育てていくことはかなり困難です。
(栄養バランス・手間の面で)
我が家を含めて多くの飼い主さんは、市販されているミニブタフード(ペレット)を主食とし、さらに野菜・果物などを日常的に与えています。
何を与えれば健康的でいてくれるかよく分からないところで、犬・猫ほど具体例や研究されたものは少ないと思われます。
今回の記事にてブタの栄養面に関して色々と記載していきますが、著作権も絡むため飼育本の内容をこの場で書き連ねるのは控えます。
そこで、web上で公表されているAMPA(american mini pig association:アメリカミニブタ協会)が発信する「ペットブタにとっての健康的な栄養素」に関する情報に沿って、必要な栄養や自分の考えを書いていきます。
※AMPAに問い合せ済み。
AMPA home → Mini Pig Education → Mini Pig Nutrition → Suppriments for Pigs にて説明されている内容です。
https://americanminipigassociation.com/
mini-pig-education/mini-pig-nutrition/
supplements-for-pigs/
- 序論
- ビタミンE
- セレン
- マルチビタミン
- YUCCA ROOT(?)
- ココナッツオイル
- 魚油
- 鉄
- ビオチン
- ビタミンC
- 小麦胚芽油
- リンゴ酢
- 珪藻土(食品等級)
- カボチャ缶
- その他の検討やビタミン/ミネラルの必要性
- ブタ特有のこと
を順を追って記述していきます。
なお、自分で解釈したざっくりとした要約を記述しますので、より正確な内容を知りたい方は直接英文をお読みになることをオススメ致します 🙂
また、原文の元となる記事のリンクも貼られているため、それぞれの事柄に関して深く知りたい方にとってもAMPAのwebページ閲覧をオススメします。
知識や情報は多いに越したことはないですが、時に混乱を招くこともあります。
全てを鵜呑みにせず、お読み頂いた方と一緒になって、何が良いものなのかという考えをご教授頂いたり共有していきたいです。
色々と細かいことや数値を書いていますが、飼い主さんに対して厳密にやりましょうとか自分自身それをしようというつもりはなく、ブタにとってどんな栄養が重要で不足するとどういうことが起こるかなど、知識として頭に入れておくと役に立つかも知れません。
※取り入れ試しに続けていることもあります。
以下に、AMPAの「Supplements for pig」の和訳・要約と自分が気になったことを書いていきます。
※色を変えたり太字にしたりしますが、あくまで自分が大切と思った部分のマーカーに過ぎませんm(_ _)m
基本的には自分のメモ代わりに記事を書いていますので、あしからず….
Supplements for Pigs
(ブタに必要な栄養素・サプリ)
【序論】
ブタに適したビタミンやサプリは、各ブタの健康状態や食事のニーズ・環境・年齢・体重・およびエサによって異なり、厳格なルールはない。
品質の良い市販のブタペレットにはブタが必要とする全てのモノが含まれている。
しかし、一部のビタミンやミネラルには安定性に欠けるモノがあり、製造中や不適切な保存状態(温度や湿度)、保管期間中に損失を受ける。
よって、ブタの健康のために必要なものをサプリで補う飼い主もいる。
以下に、飼い主が任意で与えても良いサプリを挙げていくが、それらの全てを使用する必要はない。
サプリは健康的だからといって「ゼロ」カロリーではないため、肥満に注意しなければならない。
また、全体的なエサと栄養摂取量に配慮し、過剰に摂取すると有毒になるものもあることに気を付けなければならない。
全てのペットブタに推奨される2つの栄養素は『ビタミンE』と『セレン』である。
市販のペレットにそれらが豊富に含まれているにもかかわらず補う必要がある理由は、Dr.Lisle Georgeが以下のように述べている。
”ビタミンEの活性はペレットの保存中(期間や方法により)に低下するため、それを別の方法で補わないブタは、バランスの良い食事を取っていても欠乏症を発症する可能性がある”
”その状態は、跛行(歩行異常)、寝たきり、毛並の不良、乾燥、皮膚の硬化、および心筋症と肺水腫による急死を特徴としている”
序論に関する考察
単純な疑問だが、主食として与えるペレットの栄養価が全く分からない。
極端に言えば、ペレットだけ与えていても栄養の面では大きな問題はないため、その栄養価を指標にしたい。
ネット上で購入できるペレットは数種類確認できるが、我が家では下の写真にある実験用ブタ飼料を使用している。
原材料の表記はあるが、栄養価の詳細な情報はない。
よって、この製造元である「オリエンタル酵母工業株式会社」さんへ問い合わせをして栄養成分が書かれたリーフレットを頂き、また、欲しい情報が足りなかったため再度問い合わせをし、細かい分析報告書が記載されたデータを頂いた。
以下に、ミニブタ用飼料MP-Aの栄養成分を一部抜粋する。
MP-A 栄養成分(一部抜粋) | |
---|---|
水分 | 7.7% |
粗蛋白質 | 14.7% |
粗脂肪 | 4.0% |
粗灰分 | 13.8% |
粗繊維 | 11.8% |
可溶性無窒素物 | 48.0% |
ナトリウム | 544mg/100g |
リン | 1.84% |
鉄 | 28.5mg/100g |
カルシウム | 2.61% |
カリウム | 2.24% |
マグネシウム | 205mg/100g |
銅 | 0.93mg/100g |
亜鉛 | 17.6mg/100g |
マンガン | 5.84mg/100g |
コバルト | 0.33mg/100g |
アルミニウム | 92ppm |
ビタミンA | 1600IU/100g |
ビタミンB1 | 3.96mg/100g |
ビタミンB2 | 2.72mg/100g |
ビタミンB6 | 0.77mg/100g |
ビタミンB12 | 14μg/100g |
ビタミンC | 23mg/100g |
ビタミンE | 18.4mg/100g |
葉酸 | 0.24mg/100g |
パントテン酸 | 4.83mg/100g |
ビオチン | 24.7μg/100g |
イノシトール | 234mg/100g |
ナイアシン | 8.28mg/100g |
コリン | 0.29% |
ビタミンD3 | 340IU/100g |
※セレン | 0.56mg/kg (=56μg/100g) |
※セレンを含む重金属類(上記記載以外の成分も数種類含む)の分析は製造のLot毎に行われているようで、多少の変動はあるかと思われる。
上記の数値は、資料を頂いた時の最新のもの。
栄養成分以外にも、発がん性などの生理活性を持つことが知られているニトロソアミンや、各種残留農薬およびホルモンなどの悪影響を及ぼすと考えられる物質が含まれていないかの確認分析もされていることが分かり、問い合わせをすることで知った情報も多く、改めて企業に好感が持てた 🙂
また、話が逸れるが、mipig HPにて当初より記載のある『マイクロブタに特化した専用のごはん』の取扱いのことが気になり問い合せた。
フード自体は完成し、2019年内に販売予定。また、販売対象者に関しては当面はmipig family(mipigからの引渡し家族)のみで、いずれそれ以外の方にも販売する予定との回答を頂いた。
素材や栄養価に関してどうなのか知りたいので使用者からのレビューを頂きたい 🙂
ビタミンE:
(強く推奨する)
【要約】
ビタミンEは、おそらくブタの食事に最も重要な栄養素である。
体に不可欠な栄養素であり、セレンと共同してブタの健康を保つ働きをする。
このいずれかの欠乏は、痛みを伴ったり致命的な病気になる可能性がある。
ビタミンEは市販のペレットに添加されていても、飼料の製造過程や不適切な保存状態または通常の保存期間に応じて減少していく。
体内でのビタミンEの重要性と飼料中のビタミンEの不安定性の問題を解決する唯一の方法は、サプリを与えることである。
1日あたり400IUのカプセル1つで、ブタに対する有毒性のリスクなしに十分なビタミンEを補給できる。
ビタミンEに関する考察
ビタミンEについての重要性は分かった。
皮膚の状態以外にも臓器や筋骨(もしくはそれらを支配する神経系?)の健康状態を左右する可能性もある。
しかし、ここでよく分からないのは必要量である。
IUという単位が分からない。
国際単位(IU)は、薬理学で用いられる、生体に対する効力でその量を表す単位。
出典元:Wikipedia
調べると、ビタミンEはいくつか形態があり、それぞれで1IUが指す量(mg)が異なるようである。
日本人の食事摂取基準では、
食物中(天然)のビタミンEの形態の指標を「RRR-α-トコフェロール(d-α-トコフェロール)」としており、1.5IU=1mgとして換算される。
それに対し、合成ビタミンEの形態は「all-rac-α-トコフェロール(dl-α-トコフェロール)」とされ、1IU=1mgで換算される。
つまり、ビタミンEが400IUというのは、
食物中だと400IU≑268mg、
医薬品の合成ビタミンE製剤だと400IU=400mgとなる。
今ではやめてしまったが、以前にビタミンE補給のために「メイロング」をサプリとして与えていた。
取説では、メイロング液1mL中にα-トコフェロールを50mg含むとされている。
犬の場合、ビタミンEの補給および予防には、メイロング液を0.04~1mL(ビタミンEとして2~50mg)を経口投与しなさいと表記されている。
以前はよく理解もせずに、付属のスポイトの一番低い目盛り0.25mLを1日1回飲み水に混ぜてトコちゃんに与えていたが、その0.25mL中のビタミンEの量は12.5mgとなる。
さて、ブタが1日のうちに推奨されるビタミンEの摂取量はどれほどだろう?
残念ながら情報がない。
比較にならないかもしれないが、人間と犬の目安を確認したい。
性別や年代により多少異なるが、
人間の場合、成人のビタミンEの目安量は6~7.5mg/日、上限は650~900mg/日。
犬では7.5mg/日ほどである。
日本人の食事摂取基準(2015年版)
https://www.koseikan.co.jp/sp/revise/
up_img/1416468165-322402.pdf
(※PDFファイルです)
犬に必要なビタミン。それぞれのビタミンの働き
https://dogfoods.info/dogs-nutrition/dogfood-vitamin.html
ビタミンEの過剰摂取の危険性は低く毒性は低いとされる記事が多いが、持論としては過剰なものは避けたい。
AMPAは、ブタには400IU(食物中なら268mg)までなら毒性はないと言っているので、常識的な範囲でエサなりサプリを与えればこれを超えることはまずないと思われる。
犬も人間も同程度の必要量なので、強く推奨されるブタにはこの量を超えた方が良いとしてみる。
我が家では1日あたりペレットを150~200g与えているため、その分量を目安に上記の栄養価の表よりざっくりと1日に30mg程度ビタミンEが必要と仮定して、何をどのくらい与えるべきか考えてみる。
ビタミンEの多い食品・食べ物と含有量一覧
https://vitamine.jp/bita/bitae01.html
現在、茹でたカボチャを小分けにして日常的に与えているが、適当に切り分けている1回分の分量を量ると約100gあった。
カボチャ100g中にビタミンEを4.7mg程度しか含まれていないので、それだけでは不足している。
食べ物だけでビタミンEを補うのはそれなりの量が要りそうだ。
ビタミンEに関して、メイロングなどのサプリを与え続ける、もしくはビタミンサプリを与えることは健康面ではありかもしれない…
話は少し変わるが、ふと自分が好んで毎日飲んでいる青汁の栄養表示を見てみると、ビタミンEが割と多めに含まれていた 🙂
さらに、各種ビタミン類や乳酸菌、後述するが『DHA』や『EPA』(数値の表記はないためごく微量かもしれない)も含んでいるようだ。
結石予防として、シュウ酸を多く含む食材と併せて摂取するとよいとされる『カルシウム』まで比較的多い。
もしかしたら栄養的には手軽で安価な青汁最強かもしれない….
原材料には豚肉成分が含まれていたので、含まれない他の商品はないのか探してみようかとは思っています。
でも、今飲んでいるのが飲みやすくてコスパもいいんだよなぁ(´д`)
吸収効率とか他の要因も考慮すると、記載の通りに栄養は摂取できないかも知れないが青汁はけっこう幅広い栄養価を持っていそうです。
(追記:2020/05/19)
なんやかんやで使い切って青汁やめました。今は加工食品を控え、できる限りホールフードを取り入れる考えにシフトした!
セレン:(強く推奨する)
【要約】
セレンは必須栄養素である。
良質のブタペレットには添加されている。
Cathy Zolicaniは、週に1回の頻度で150~300μgのセレンの追加投与を推奨している。
セレンサプリは、店頭で人間用のサプリの中に陳列されているモノを代用できる。
実際に食物中に含まれるセレンは、栽培された土壌中のセレン含有量に依存するため、その保証はない。
セレン濃度の乏しい地域もあり、そこでの作物中にもセレンが不足している。
壊滅的な栄養不足を避けるためには週に1回のサプリを与えるのが最も安全である。
しかし、セレンの過剰摂取には毒性があり、必要量は少量なため注意が必要となる。
市販のフードを与えているブタに対しては、週に1回以上のセレンサプリを与えないこと。
セレンに関する自分の考察
セレンの必要性に関しては、飼育の早い段階でSNSから情報を仕入れていた。
過剰摂取すると毒性があるので、サプリを使用するのは控えようと考えた。
しかし、食事からだと何をどの程度あげればよいのかが問題である。
ブタにとっての必要量は相変わらず不明だが、幸いAMPAが「市販のブタペレットを食べているブタには週に150~300μgのセレンを投与できる」と明言しているため、おおよその目安が分かった。
できればサプリではなく自然にあるものから摂取させてあげたい。
そこで、セレンを多く含む食品や、ついでに人間に必要な摂取量も調べてみた。
セレンの多い食品・食べ物と含有量一覧
https://vitamine.jp/minera/selen01.html
日本人の食事摂取基準(2015年版)
https://www.koseikan.co.jp/sp/revise/up_
img/1416468165-322402.pdf(※PDFファイルです)
セレンを多く含み、安価で手軽に利用できそうな食品は『かつお節』のようだ。
それを以前より知っていたので、トコちゃんには茹でたもやしにかつお節をかける「かつお節もやし」をほぼ毎日1回与えていたが、セレンの量まではあまり気にしていなかった。
上記リンクより、かつお節100g中にセレンが320μg含まれていると仮定すると、
日頃使用しているかつお節ひと袋(2g)の半分量(1g)を毎回与えているので、かつお節1g中に含まれるセレンは3.2μgとなる。
意外と少ない….
毎日与えたとしても、3.2g×7日=22.4μg、思ったより少ない…
また、セレンの摂取目的のため購入していた『ブラジルナッツ』は、一粒でセレンを100μg含むらしい。(栽培された土壌に依存するため不正確だが)
ブラジルナッツのセレン含有量と1日のセレン摂取目安
https://ブラジルナッツ.blog.ss-blog.jp/2013-07-15
1日1回、一粒のブラジルナッツを3等分して、私・妻・トコちゃんで食べていたが、一週間にすると
約33μg×7日=231μg、他の食品からの補給も考えると少し過剰になるかもしれない。
よって、ブラジルナッツは2日に1回のペースで食べるくらいが安心できるようだ。
※小麦粉(パン)にもセレンは多く含まれているので、パンを日常的に与えている人は情報として知っておくと良いかもですm(_ _)m
他には、自宅用として市販の「ウズラのたまご(水煮)」を買ったときに、不定期に1~2個与えています。
うずらの栄養価
http://www.marutaka-shouji.co.jp/eiyou/
ちなみに成人の摂取目安は1日に30μg程度、上限が350~460μg程度(性別や年代で異なる)となっており、ブタよりもはるかに雑食である人間にとっては、魚・肉・卵類を食べ過ぎるとすぐ上限に達することが理解出来ます 😥
マルチビタミン
【要約】
ほとんどのブタは、良質な人間の子ども用マルチビタミンの恩恵を毎日受けることができる。
若い子ブタは子ども用ビタミンの半分量を、6ヶ月以上または25ポンド(約11kg)以上のブタは毎日一人分の分量を摂取できる。
飼い主の中には、アステルパーム(人工甘味料)やゼラチン(ブタの成分を含むものが多い)のないビタミンサプリを好む人もいる。
マルチビタミンに関する
自分の考察
サプリほどの栄養価は期待できないが、各種ビタミンの過剰摂取の心配も少なく自然のモノに近い「青汁」で代用できるのではないかと考えています。
はい、青汁信者です(笑)
加工食品は避け、今はホールフード信者になった!(2020年から)
ユッカの根
(※訳が正しいか不明)
【要約】
ユッカの根は様々な理由で役に立つ特別なサプリであり、まさに自然の奇跡のひとつである。
しかし、大量に与えると問題が起こるため、必要な場合にのみ適度に与え、獣医と相談すること。
利点は以下の通り、
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用
- 糞の臭いの軽減
- 消化を促進
- 病弱なブタに対する食欲刺激剤
- シャンプー使用時の肌トラブルを軽減
- 栄養素として、ビタミンC、ベータカロチン、カルシウム、鉄、マンガン、マグネシウム、ナイアシン、リン、タンパク質、ビタミンB群などを含むこと
100%純粋なユッカの根を使用すること。
※他に使用量や臨床例が記述されていますが、日本では身近ではない?(自分は知らない)ため説明を割愛しますm(_ _)m
ココナッツオイル
【要約】
ココナッツオイルはブタにとってすばらしいサプリメントである。
食べ物の上に注いだり、付けたり、氷角トレイを用いてひと口サイズのお菓子のように利用できる。
1日あたり、ブタの体重25ポンド(約11kg)あたり小さじ1杯が目安となる。
ココナッツオイルは様々な利点の中でも、特に肌と毛並の健康にとって最適である。
《精製か未精製か》
精製か未精製のココナッツオイルのどちらがよいかは個人的な好みによる。
どちらでも構わないが、未精製のオイルは栄養成分を豊富に保つため、健康上の利点が多い。
《未精製》
未精製のココナッツオイルはバージンまたはピュアと呼ばれることがある。
栄養補給と健康上の利点においては最適の形である。
新鮮なココナッツ果肉を処理することで、他の方法で見られる汚染(粗悪な化学物質の混入)を防ぐことが出来る。
植物性栄養素(タンパク質やビタミン類)やポリフェノール(抗酸化物質)が豊富に含み、新鮮なココナッツの風味を持つ。
もし未精製の商品を選ぶ場合はオーガニックがベストであり、「ピュア」「未精製」「バージン」「エキストラバージン」「コールドプレス」などのラベルを探すとよい。
製法は、コールドプレス法やエクスペラー法で加工され、コールドプレス法はエクスペラー法よりも多くの栄養素が保たれている。
《精製》
精製ココナッツオイルは特定の加工プロセスを経ている。
このプロセスにより、漂白やその他刺激性の化学物質が使用される場合がある。
これらの化学物質は、成分ではなく加工に使われるためラベルには記載されない(食品規制ではラベルには成分のみが必要)。
様々な化学物質を使う理由は、オイルを白くし、脱臭を行うことによりココナッツ特有の風味を取り除き、水酸化ナトリウムを加えることで保存期間を延長させるためである。
この過程で、多くの植物性栄養素は損なわれ破壊される。
精製ココナッツオイルの利点は、低コスト、風味がない(炒め物や揚げ物に適する)、および発火点が450℃と高いことである(未精製のオイルは350℃)。
※製法について記述されている部分は割愛致します。
《ココナッツオイルの内部的(食用としての)利点》
- ビタミンE、ビタミンK、鉄などを含む
- ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸などを含む
- 抗ウイルス作用
- 抗菌作用
- 抗発酵作用(腐敗を防ぐ?)
- 抗真菌作用
- Anticanver(Anticancerのスペルミスか? →抗ガン作用)
- 免疫システムを高める
- 健康的な肌をサポート
- 心臓の健康を促進
- 健康な脳機能を促進
- 甲状腺機能をサポート
- てんかんの子どもの発作を劇的に減らすことが証明されている
《ココナッツオイルの外部的な利点》
- 乾燥肌に潤いを与える
- 健康な髪(毛)を促進する
- ひび割れや肌荒れを癒やす
- 軽度の日焼けを癒やす
- 抗ウイルス作用
- 抗菌作用
- 炎症を起こし傷んだ肌を癒やす
- 傷や虫刺されに効果的
- 歯に使用すると健康的(歯磨き的に)
ココナッツオイルに関する自分の考察
以前から気になっていたし、ココナッツが好きなので、これを機に自分も含めトコちゃんのために使いたいと思い利用している。
経口摂取を主とし、毎日の飲み水に溶かして与えることにした。
以前から与えている、1日2回のぬるま湯(少量のきな粉+ビオフェルミン細粒+ココナッツオイルスプーン1杯を溶かす)として与えている。
トコちゃんはココナッツオイルが好きなのか、飲み水がなくなってもしばらくの間、器を隅々まできれいになめ回している(笑)
※ココナッツオイルを与える量は、AMPMが推奨する「1日あたり小さじ1杯」よりやや少ない程度から始めて様子を見ている。
プラセボ(?)、効果を期待していたためか、何となく毛並やツヤが良くなっている気がしています 😉
外部的な使い方として、ココナッツオイルをトコちゃんに塗ることはしていないが、代わりに『ホホバオイル』を塗って保湿対策としている。
これに関して、経過を見て良さそうであればいつか記事にするつもりです…
(追記:2020/05/19)
※肌にオイル類など全てのモノを塗るのはやめました!(毛穴詰まりなど皮膚汚れが発生するため)
冬場は室内の加湿と食事から栄養素を取り入れる考えに移行しました!
魚油
【要約】
健康的なブタには、
体重10ポンド(≑4.5kg)あたり100~150mgのEPAとDHAを与えることができる。
健康上の問題(関節炎、季節性アレルギー、ドライスキン)を抱えるブタには、体重10ポンドあたり最大300mgを与えることができる。
サプリを使用する際には成分を確認すること、できる限り成分が少ないモノが良い。
ゼラチンとグリセリンはカプセルを作るのに一般的に使用されており、避けることができない。
トコフェロールは防腐剤や安定剤として使用され、これも問題ない。
魚油は獣医学で最も一般的に使用されるサプリのひとつであり、薬に準じるものと見なされている。
ペットにおける多くの臨床経験から魚油の利点が知られており、心臓の健康と免疫システムをサポートすると考えられている。
利点は以下の通り、
- 健康な肌と体毛を促進し、栄養を与える。
- 炎症を軽減する。
- 関節炎の痛みを軽減する。
- 免疫システムの強化。
- 感染症対策。
- 関節の不快感と軽減。
- スタミナの増加。
- 脳卒中や心臓の問題のリスク低減。
- 抗酸化作用がガンのリスクを低下させる。
- アレルギー症状の緩和。
- 腎臓病の治療に役立つ。
- 腫瘍を小さくする。
魚油(EPA・DHA)に関する考察
人間でも毎日必要量を摂取するのはむずかしい。
EPAやDHAは魚類(特に青魚系)に多く含まれている。
毎日魚を食べる人なら簡単かもしれないが、なかなかそうはいかない。
魚の缶詰であれば楽にあつかえるが、ブタに魚を与えるのはなんとなく抵抗がある…
しかし、ここでも『かつお節』が使えるが、使用量はそこまで多く出来ない。
削りぶしは栄養の宝庫!
http://www.kezuribushi.or.jp/houko.html
DHA入り食品は魚以外もある?調べると5つも発見!お宝食はこれっ
https://kira-to.com/dha-no-fish/
魚以外からの摂取も可能だが、含有量が少ないモノが多く達成は困難。
こういったEPA・DHA入りソーセージは与えやすいけど、塩分が多いのではないか(相対的・絶対的にどうなのかは分かりません)と思い使用を控えている。
また、ソーセージ類は「リン」を比較的多く含み、リンを取り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げる作用もあるため、その意味でもあまり与えない方が良いのかもしれないと感じている(実際どうかは分かりません)。
リンの多い食品と、食品のリンの含有量一覧表
https://www.eiyoukeisan.com/calorie/
nut_list/phosphorus.html
リンとカルシウムの拮抗作用
http://vitamin.ynbms.info/2006/12/
post_72.html
他にもDHA入り食品は多岐に渡り販売されているが、コストと手間の面を考慮すると、サプリの使用が最も簡単です(笑)
※ナッツ類もオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)の一種であるαリノレン酸を比較的多く含むが、同時にオメガ6脂肪酸も多く含む。
さらにはαリノレン酸は酸化しやすい上に、体内での変換効率(αリノレン酸 → EPA → DHA)も低いため、やはり魚類もしくはサプリからの摂取の方が安心と言える。
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は摂り過ぎによる副作用があるのか
https://gyoyulabo.com/dha-26.html
追記:2020/05/19
オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)を摂取するため、トコちゃんに毎日『クルミ』を少量と、茹でたキャベツやもやしをあげる時に『すりえごま』をかけるようになった。
これらは自分自身も利用している。
人間用としては、毎朝のスムージー(野菜と果物数種類)に小さじ1杯分の『フラックスオイル』を入れると1日分のαリノレン酸の必要摂取量をまかなえる。
スムージーの残りカスを時々トコちゃんにあげている。
鉄
【要約】
大人のブタには鉄のサプリは必要なく、過剰な鉄は有毒になり得る。
ブタは土壌をルーティングや泥遊びをすることで鉄を含む様々な必須ミネラルを得ることができるが、屋外に出ないブタには鉄分の豊富な食事を与えることが最善である。
野外で土と触れ合えない若い子ブタには、週に2~3回、鉄を含む子ども用ビタミンを与えると良い。
Cathy Zolicaniによると鉄サプリが多すぎると、「腸内の悪玉菌が増え、著しい下痢を引き起こす可能性がある。ペレット食やほうれん草のような食べ物は十分で心配する必要はない。鉄サプリは、若い子ブタ・鞭虫(寄生虫)・何らかの理由で出血している子ブタのためのものである。」
ビオチン
【要約】
ビオチンはビタミンB群のひとつであり、補酵素と呼ばれることがある。
髪、皮膚、爪(蹄)の成長に用いられる必須栄養素である。
多くの自然食品とペレットに含まれているが、ブタによっては過分にビオチンを必要とする場合がある。
体毛やヒヅメが乾燥し、もろく、ひび割れている場合、ビオチンのサプリはより健康的になるのを助ける。
ほとんどのブタの必要量としては、毎日1000μgで十分である。
ビタミンC
【要約】
健康的な肌のために必要である。
ブタがマルチビタミンを摂取している場合には、余分なビタミンCは必要ない。
もし欠乏が原因で皮膚の状態が良くない場合は、ビタミンCサプリを与えることで改善することもある。
用量は1日あたり500mgである。
小麦胚芽油
(ウィードジャムオイル)
【要約】
内部的・外部的にも使用する人がいるサプリである。
経口投与量は、小さじ1杯の粉末を毎日の食事に混ぜて与える。
《内部(経口)的利点》
- 肌と髪の健康を促進する。
- ビタミンEが豊富。
- 必須脂肪酸オメガ3-6-9が豊富。
- マグネシウムが豊富。
- ビタミンB(組織の修復に役立つ)が豊富。
- 血糖値の安定性を助ける。
《外部的利点》
- 乾燥やひび割れの肌を癒やす。
- 肌に潤いを与える。
- ビタミンA、D、ビタミンB群、抗酸化作用、脂肪酸を与える。
小麦胚芽油に関する考察
まず、存在を知らなかった 😥
あまり一般的ではないかな?
小麦胚芽油の効果は?健康や美容に良い?気になる副作用についても
https://failfastcatalyst.com/physical-health/3068/
リンゴ酢
【要約】
証明されたモノはほとんどないが、多くの点で有益(内部的・外部的にも)と言われている。
健康上の利点のために、フィルター処理されていない有機または生のリンゴ酢が望ましい。
利点は次の通り、
- 体の機能を正常化、健康的な尿路をサポート。
- 便秘の緩和。
- 免疫システムをサポート。
- 消化とPHバランスを促進する。
- 肌を健康に。
- 健康な腸内細菌をサポート。
- 高いカリウムを含有量。
- 日焼け、虫刺され、擦り傷、刺し傷、その他の皮膚の病気を和らげる。
- 防虫剤として。
- 他の食品の必須栄養素の吸収力を増加させる。
- 下痢や軟便に良い。
昔から、生のリンゴ酢は『母なる自然の完全食』として知られており、リンゴ酢に含まれる酢酸が攻撃性を持つバクテリアや微生物の繁殖を防ぎ、自然な身体機能をサポートし病気の予防のために最適とされている。
また、リンゴ酢に含まれるリンゴ酸は、消化のプロセスを改善し、腸内のPHを緩衝することにより動物の食欲を刺激する。
リンゴ酢に関する考察
証明されていないという部分が引っかかるが、世の中には、よく分かっていないけど体に良いモノは多数存在する。
リンゴ酢は比較的安価で手に入りやすいため、腸内環境を良くするとか、食欲を刺激するとかいった効能は、どれほど効果的かは不明だが役立つ時があるかもしれない。
珪藻土
【要約】
正確にはサプリではないが、ブタに与える時(食品等級の珪藻土)は、腸内の寄生虫を取り除くための化学物質を含まない自然な駆虫剤として使用される。
珪藻土で回虫は駆除できない(?)が、イベルメクチンやフェンベンダゾールなどの化学駆虫剤と組み合わせることで、全ての寄生虫をカバーできる。
また、皮膚に塗布してノミを取り除くことが出来るが、とても乾燥肌を悪化させることになる。
住みかの周辺に散りばめて環境全体の害虫を駆除することも出来る。
ハエなどを抑制するためにウンチに振りかけることも出来る。
珪藻土に関する考察
食べる珪藻土のことは知らなかったし、一般的でもないだろうし、利点はあってもブタの乾燥肌を悪化させるなら使用することはない。
寄生虫がいるなら獣医に診てもらおう。
カボチャの缶詰
【要約】
サプリではないがとても便利。
便秘や下痢の緩和に役立つ。
他の食材を包んで与えたり、薬をこっそり混ぜて食べさせることも出来る。
また、外科的な手術の際、麻酔薬と鎮痛剤は便秘を助長させ、痛みにより便秘がさらに悪化し潰瘍などの合併症が発生する可能性がある。
手術前後にカボチャを1日2回程度与えれば、すべてが正常に働くかもしれない。
カボチャに関する考察
カボチャが便や腸内に対して良い働きをすると知れただけでも十分。
その他の検討や
ビタミン/ミネラルの必要性
【要約】
ビタミンEとセレンには特別な関係(共同的)があり、身体はどちらか一方の欠乏によりひどく恐ろしく致命的な病気をもたらす。
そのため、一緒に摂取するのが最善である。
クローン病などの胃腸障害は、セレンの吸収を妨げる可能性がある。
ビタミンCやその他の栄養素へ悪影響を及ぼす亜セレン酸塩(※日本では食品添加物として亜セレン酸塩ナトリウムが利用されているようである)のような無機質の摂取を避けること。
ビタミンE欠乏症は、様々な動物において栄養性ミオパシー(白筋疾患)の原因としてよく知られている。
この障害はブタ、ウシ、ヒツジに最もよく見られ、出生直後に観察される心筋および骨格筋の壊死と石灰化を特徴とする。
多くの場合、この症候群の病因にはビタミンEとセレン欠乏症に明らかな関連がある。
「ビタミンEとセレン」の共同的な関係のように、「ビタミンAと亜鉛」、「カルシウム・マグネシウム・ビタミンD」が一緒に働くことは覚えておくべきである。
ブタ特有のこと
欠乏症が起こると代謝経路が乱れ、損傷が生じる。
ブタの場合にはビタミンEとセレンが主な抗酸化物質であり、典型的な病気に関連するのは、これらの一方もしくは両方の欠乏である。
ビタミンEは植物油、穀物、緑黄色野菜などの食物に広く含まれているが、ビタミンを破壊するエネルギー源として食事中の多価不飽和脂肪酸の使用が問題となることがある。
ビタミンEは、神経・筋肉・循環器系・免疫系の正常な機能と代謝に必要であり、消化器系や生殖器系に必須である筋構造を維持することや、さらに特定のアミノ酸やビタミンCの合成に関与している。
セレンの代謝と密接な関係があり、食事中のセレンが少ないほど、ビタミンEの必要量も大きくなる。
最後に。色々書きましたが、、、
栄養のことを考え出すとキリがありません(笑)
しかし、ある程度の指標を知ることで「コレは体に良いから時々あげてみよう、逆にあまり良くないから控えよう」という簡単な判断はできます。
結局は人間も同じで、偏った同じモノばかりを食べず、まんべんなく様々なモノを取り入れることが安全で健康的だと思います。
AMPAでは以下の飼育書を出版しており、HP以上に有用な情報が記されているのではないかと考えられます。
購入したきり、ザッと目を通しただけで精読していませんが、ボチボチちゃんと読みたいです 😐 (※全て英文)
はじめまして、こんばんは。
養豚場で獣医師として働いてます。
最近、マイクロブタさんの存在を知り、動画を観て、トコちゃん(と、USUKIさん)の大ファンになってしまいました。
更新、心待ちにしてます。
※うまく送信できなくて二度目の投稿です。
同じような投稿が重なってたら、ご容赦ください。
minikenさん、こんばんは!
ブログや動画を見て頂き、またコメントまで頂きありがとうございます(^-^)
日常生活でファンと言われることがないため少し気恥ずかしいですが嬉しいです(笑)
初めの頃、Youtube動画はブログを分かりやすくするために適当に投稿していましたが、気がつけば想定以上に見てくださる方が多くなりました。
喜ばしい反面、手を抜けなくなったという変なプレッシャーがあります(汗)
私はブログでも動画でも色々とブタのことで講釈を垂れていますm(_ _)m
minikenさんの獣医師という立場からご覧になって、間違ったことやズレた考えがあれば是非ともご指摘頂けたらありがたいです。
勝手ながらものすごく頼もしく感じております(笑)
最近は更新の頻度が少なくなってしましましたが、長く細く自分のペースで継続していくつもりです(^-^)
※システム上の問題で、ブログへ頂いたコメントは私が承認した後にページへアップされるようになっております。
キチンと2つともメッセージは届いております。
お手を煩わせてしまい、また返信が遅れてしまい申し訳ございません。