トコちゃんの発情期と去勢・避妊手術とアンチナタリズム

※投稿日の2年前くらいに下書き放置していた記事に少し手を加えて投稿しました。
もっと早く挙げるべきだった。

我が家のトコちゃん(マイクロブタ♀)は避妊手術を行っておりません。

以前、instagramのストーリーでちょくちょく発情期の様子を投稿していたら、数人の比較的新しくブタを飼い始めた方々に”ブタの避妊手術の是非”について尋ねられたこともあり、現時点での自分の経験と考えをまとめておこうと思いました。

先に結論を言うと、発情時の行動を考慮し、長い目で見て一緒に生活する上での過ごしやすさを考えると避妊手術をすべきです。

さらに施術のリスクをできるだけ減らすために適齢期(若い頃)に行う方が良いです。

そもそも、飼育書や飼育情報サイトなどではほぼ例外なく去勢・避妊手術が勧められています

行動面、生殖器絡みの疾患などを含めて施術のメリットが大いに勝ると考えられています。

 

では何故トコちゃんにはしていないかって??

単なる飼い主の判断ミスです、、、

しかし今のところ改めて手術するつもりはないです。

 

元々避妊手術をするつもりでしたが、飼育当初はブタへの麻酔は慣れた術者が行わなければ窒息死のリスクがある(犬猫とは気管の構造が異なるため)や、発情時の問題行動が少なく穏やかな個体もいるなどの情報、成長してからもオペ自体は可能など、必ずしも早期の施術が必須ではないように感じていました。

初めて発情期を認識した(明らかな陰部の赤み膨らみ粘液や行動性の変化)のはトコちゃんが1歳3ヶ月くらいのころ。
この程度の変化なら避妊しなくてもいいやと思っていましたが、成長するにつれて発情時の行動の変化が大きく大胆になっていきました。
でも今思い返すと、発達がまだ未熟で分かりづらく、もっと早い時期から発情が始まっていたような気もする、、、

以下に少し細かく書いていきます。
※トコちゃんはメスなので、基本的にメスのことについて書いていきます。
オスブタで未去勢だと、ニオイが強いとか牙の伸びが早くて危ないとかそもそも発情時の荒っぽさが危険だとかオシッコ振り回すとか、、、飼育に向かない話しか聞かない 😥 

トコちゃんの発情期にはどんなことが起こるか?

ざっくりとですが、トコちゃんの発情期の様子を表にまとめてみました。

ここで言う発情期とは、学術的な定義とは離れ、私が経験的に確認し、発情に伴った通常とは異なる様々な行動の変化のことを指しています。

言うまでもなく発情期は生理現象なので日付が変わったらバチッと豹変する訳ではなく、徐々にグラデーションがありながら行動が変容していきます。

ちなみにトコちゃんは、平常が11日間、発情期が8日間の約19日周期で定期的に発情を迎えています。

この規則性はほぼ一定であるため、いつ発情期が起こるか数ヶ月先までは大きく外れることはないし、その時の行動の変化に対する準備や心構えができます(留守にしない方がいいなとか)。

また、この周期がかなりズレるようなことが起これば生殖器系の臓器やホルモンバランスなどに異変があることの指標になり得るかもしれません。

自分が一番問題視しているのは、留守の際のウンチ・オシッコ問題だけです。他はどうにでもなる。

※発情期の行動が明瞭に思えた2~4歳までは以下の表に示すような変化がありました。
5歳を過ぎたあたりからはパターンに変化が起こり全体的に穏やかさが増しています。
平常12日、発情期8日の約20日周期に近付いた。

ウンチ・オシッコ巣作り行動陰部の様子鳴き声活動量
1日目頻尿
便秘様状態
(少量を頻回)
が不定期に始まる
不定期に始まるゆっくり
平常時より寝てる時が多い
いつも寝ない場所でw
2日目徐々に頻度と
1度の糞量が減る
継続中/ここまでここから最終日まで
粘液が滴るようになる
継続中
3日目尿はほぼ平常
便はほとんど出さない
赤みや膨らみが目立ち始める継続中
4日目継続中より分かりやすくなるほぼ平常
5日目急に平常に戻るハッキリするほぼ平常
6日目ハッキリするほぼ平常
7日目もっと目立つ頻繁に鳴く
高低の声がうるさい
(キャンキャンゴォーゴォー)
やたらうろつく
言うことも聞き辛い
落ち着きがない様子
8日目継続中/ここまで継続中/ここまで継続中/ここまで

 

【ウンチ・オシッコ問題】
まず、発情期の前日はなぜかウンコをいつも以上にモリモリ出しがちw(量も回数も)
発情期初めの3日間はオシッコが少量な上に頻尿、ウンチも小粒で少量なものを頻回に行うようになります。
普段は快便であるため、時期とこの変化を確認して、”発情期が始まったぞ!”と認識しています。

いつからかトコちゃんは外で用足しをするようになりました。
普段なら室内設置のトイレに移動し「外に出せ」アピールをするので庭へ誘導します。
留守でかつ、どうしても我慢できない時はうまくトイレ内にしてくれています。滅多にしないけど。

しかし、発情期はじめの時期にはその我慢がほぼできない上にタイミングも不定期なようです。
一緒にいる時はその都度ウンチを回収すれば何も問題ないですが、留守の際にはその頻度ゆえ、踏み荒らすことになります。
1度汚れてしまったらあちこちをトイレと認識してしまうのか、場所の区別が効かなくなるようです。
後述する巣作り行動と組み合わさったら、ケージ内は見事にウンチとオシッコまみれとなります 😥 

この最初の3日間でウンチオシッコ荒らしが全く起きない時もあるし、パーフェクトで汚す時もあるし完全に運💩です。
直近では、1日だけ荒れて他の日は穏やかな状況が続いています。
このときに仕事が休みであることを祈るのみ、、、

一緒に誰かいて片付けとか後処理がすぐにできれば問題なし、ただ下の世話が多く少し手間の増える時期と捉えることができます。
通常時で1日の内にオシッコ3~4回、ウンチ1回だとしたら、この時期は単純に倍以上のオシッコ8~10回、ウンチ10回以上?。
留守にすることが心配なだけ。

※5歳過ぎたあたりからは、かつての発情期前日分と初日分が一緒になったような感じで、この日は留守があっても比較的無事。
2日目は頻繁なウンチオシッコをしたがるので仕事があれば休みをとって一緒にいます。
そして3日目も比較的安定して留守にしても問題ないくらいになっている。

 

【巣作り行動】
この言葉が正しいかは分かりませんが、部屋にあるあらゆる布っぽいモノ(クッションや毛布など)を決めた場所へ集めたり、それらを鼻ゴリしたり噛み噛みしてみたり足でガリガリと擦りあげてみたりする行動を指しています。
寝てたと思ったら急に始めて1時間くらい続けたり、不定期に行います。
基本的に普段はこの行動を起こしません。
これ自体はほっといて、気が済むまで見守るしかないです。
大切なモノを巻き込まれないように部屋の整理整頓をするのみです。

この行動がかなり激しかったりほとんどしない場合もあり、かなり程度の差があります。
飼い主が着ている服もカミカミして持って行こうとする時もあります 😥 

ここ最近はあまりこの行動を見ていない、、、比較的穏やかです。
特に初めの2日間はこの行為が激しめな時が多いです。

※5歳過ぎからは巣作り行動を2日目しかしなくなった。
そのタイミングは発情期特有の最初のポロポロウンコになってから約10~12時間後くらいに起こるのが多い。
さらには、クッションを少しだけ鼻で掘ったり足でカキカキしたりして布集めせず寝て終了することも多くなった。

【陰部の様子】
4日目くらいの排便排尿が落ち着いてきた頃から、外陰部の変化が確認できます。
赤みを帯び腫れたように膨らみを増し、粘液が出るようになります。
サラサラだったりヌメリがあったり、、

ついでに、お乳の膨らみも目立つようになります。

ここで問題になり得るのは粘液が滴り落ちるくらい量が多い時です。
ブタはあちこちで寝そべるのでベッドやカーペットが濡れたり、ポタポタ水滴のように床を汚します。

まぁニオイが強い訳でもないし、排泄物ほど汚いとは思わないから時々ティッシュで拭いてあげるだけ。

※5歳過ぎでは陰部の赤みや膨らみが不明瞭に感じることが多くなった。
粘液は変わらず定期的に出ているが、赤み等は特に最終日の2日間のみ強いような印象。
2日目に行う布集め期が終了したあたりから粘液が滴るタイミングが多いようです。

 

【鳴き声問題】
発情期前半は通常よりもむしろ静かです。
全然声を上げないので逆に心配になるくらい。

しかし、最後の2日間はメチャンコうるさい 😕 
高低の色んな鳴き声混じりで「ゴォーゴォー!キャンキャン!」

ただ一緒にいてあげれば横で寝て比較的おとなしくしてくれています。

ひとりの時はどうしているのだろう?

集合住宅であれば隣人との騒音トラブルになるかもしれないですね、、、

※5歳過ぎたあたりでも相変わらずうるさいが、甲高いキャンキャン声はほとんどしなくなりゴォー!の低音がメインな印象。

 

【活動量】
前半のウンチ期と同じ時期は動きが少ない場合が多いです(巣作り行動は除く)。
散歩にも行きたがらないことが多いです。
巣作り行動とゴハン時とトイレ以外はほとんど寝ていると言ってもいいくらい。

鳴き声がうるさくなる後半の2日間は、逆に多動になります。
散歩に行ったら小走りが多く、いつもの半分以下の時間で散歩が終わりますw
必死にイケメンの雄ブタでも探しているんだろうか、、、?

しかし鳴き声と同様に、一緒にいたら静かにおとなしく寝ている場合がほとんどで、何か作業をするのに少しでも離れるとギャンギャン騒ぎながらウロウロ徘徊しています。

ウチで特に注意しているのは多動の時期の外トイレ。
いつもなら庭の所定の位置まで移動するのに飼い主の後を付いていく or 勝手にそこまで行くのですが、この時期には玄関開けるやいなや、お隣さんの敷地やもっと遠くの公道の方までサクサク進んで行きます 😕 
少し面倒だけどこのタイミングでは脱走しないようにハーネス・リードを付けて庭シッコをさせています。

※5歳過ぎでは最終日2日間の小走りで行く脱走傾向の勢いがやや弱くなってきた。

 

【体温】
発情期の間はずっといつもより体温が高いように感じます。
実際に計測していないから数値でのお話しは出来ませんが、体表面や特に鼻を触れると熱っぽさを感じ取れます。

昔トコちゃんが頃、何の前ぶれもなく身体が熱く食欲も少なくじっと動きたがらない様子を経験したことがあり、すごく具合が悪いと心配したことがありましたが、今思い返すとまだ未発達な発情時の変化の重なりを体調の変化と誤認した可能性があるように感じました。

 

【食欲】
前半の2日間くらいは食欲が落ちているような時があります。
ゴハンを差し出してもすぐには食いつかなかったり、途中でやめたり。
でも放置していると普通に完食しています。
正直なんなのかよく分かりません。

発情期を経験している他の飼い主さんたちからは、食欲が増す、と聞くことの方が多いです。

ついでに、初日~3日目くらいまでは口渇・多飲傾向となり、普段は滅多に飲まない置き水をこの時期に限ってはガブ飲みして空にするほどです。
トコちゃんが外でトイレをする際に土いじりして汚れた鼻を、庭にある立水栓で洗ってから家に入れるんですが、その時に触る口内の唾液のヌメリ感がいつもより強くなるため、時期や他の行動を考慮してあぁ発情期始まるなぁというひとつの指標にもしています。

文献としては発情期とはどんなものか?

※主にブタ・ミニブタに関する文献からの抜粋です。

メスブタでは、発情周期の規則的反復と妊娠を円滑に進行させうる状態にいたって初めて、性成熟に達したとみなされる(170~225日齢)。

春機発動期(性現象が発現し始める時期)に到達する年齢は、栄養水準、生活環境(単飼、群飼など)、体重、季節、疾病および飼養管理により影響を受ける。

一般に発情徴候として認識されるのは、行動の変化(食欲、落ち着き、乗駕行動や不動反応)や外陰部反応(腫脹、発赤、粘液漏出など)である。
外貌からは認められない発情所見では、卵巣や子宮頸の変化が最も顕著である。

発情周期とは、発情(雄許容)の開始日から次の発情の開始日までの期間を指し、その長さは平均21日(おおむね19~23日)であり、発情期間(発情開始から発情終了までの期間)は平均約2日間とされている。

 

ある程度の広さがある群飼自然交配のような繁殖管理下においては、メスは発情の数日前から雄を求めて歩き回り、発情時には行動がより落ち着かなくなる。

そして陰部から粘液を流出させ頻尿になり、発情していることを誇示する。
※これに対してオスは、メスの尿や糞あるいはメスの陰部を嗅いだり舐めたりし、それに伴ってリズミカルに尿を散布することも多い。その後、フレーメンのような動作を伴うこともある。

 

オスブタの関心を得るため奇声やうなり声を発したり、尿を頻繁にかつ躾けた場所以外で行う。

また、人や他のペットにマウントしたり飛びついたりし、行動が荒くなりオーナーの指示を無視することも多くなる。

 

「ブタの科学」、「ブタの行動学」、「ミニブタをペットにする完全ガイド」のそれぞれから、関連部位を抜粋しました!

 

また、mipigさんのアプリにある飼育情報のコラム”養豚場のブタさんとマイクロブタさんの違い”の中では、
一般的なブタ(家畜)の性成熟は7~8ヶ月
マイクロブタの性成熟は4~5ヶ月
と説明されており、小型化に伴い性的発達の早まりが起きているとのことです。(プロジェネシス)

 

余談ですが、「マイクロブタは小さいのでブタ・ミニブタと比べておとなしい」という説明を受けたことがあります。
そんなもんなのか?とあまり考えずに納得していましたが、その辺のことが説明がされた面白い本を読んだのでご紹介しておきます。

小さいのでおとなしい
ではなく、
おとなしさを追求した交配の結果、小ささも付いてきた
ということのようです。

その他の内容も面白いので、家畜化や動物自体に興味のある方はご一読されてみて下さい 🙂 

避妊手術が適齢期より遅いと、、、?

性成熟の早まりが起こっているマイクロでは適齢期がどの程度になるのか?

最初の発情期を迎える前に施術を行うことが良いと聞いたことがありますが、ハッキリとした情報は分かりません。

早すぎると子ブタ自身への負担が大きすぎる、遅すぎると術者の技術的・設備的な負担とブタ自体の負担も増す。

誰かマイクロブタの避妊去勢の適齢期を教えて下さい 😕 

 

ミニブタの飼育本では、避妊手術は生後6週~3ヶ月齢までに行うことが望ましいようです。

成長しきってからでは生殖器やその周囲の血管等も発達し、施術の際に出血も多く、皮下脂肪も厚くなり解剖する組織も必然的に多くなり、アプローチが難しくなります。

また成長して脂肪組織が多くなることでより多くの麻酔が必要となりリスクも増大します。

ブタの子宮は成長につれて長く大きくなり、成長した後に摘出したらかなりお腹がペタンコになるよと獣医さんに説明を受けた飼い主さんの話を聞いたことがあります。

さらにお腹の膨らみによる傷口への膨圧も重なり、治癒の時間を含めて癒合のトラブル等のリスクも高まります。

単純に時期が遅くなるだけで施術のリスクがどんどん大きくなっていきます。

1歳以上になると施術が困難になり断る獣医さんもいるとか?

実際は獣医の考えや経験、病院の設備等によると思うのでそれ次第でしょうけども、、、

また、メスブタは生殖器系の腫瘍を発症する可能性が非常に高いと言われています。ホントかな??(Should I Spay Or Neuter My Mini Pig? – Mini Pig Info

乳腺炎になる可能性も高いようです。

もし将来的にオペによる腫瘍の除去を希望するのであれば、幼い頃に避妊手術を行っておれば、その腫瘍にさらされる可能性も施術のリスクもコストも最大限に抑えられることができます。

健康な適齢期の子ブタと年老いたの病気のブタの手術はどちらがリスク高いかな???

言わんでも分かるよね 😉 

 

私のかかりつけ獣医さんの当初(トコちゃん10kg以下の頃)の話だと、避妊手術自体は簡単なものだし極端に太っていなければ受け入れ可能と言うことでした。

しかし、発情行動がやっかいかもしれないと考えを改めだした2歳頃(20kg近く)に相談した際には、オペのリスクを考慮し設備の整った実績のある病院を紹介するという流れになりました。

紹介先が隣県と言うこともあり、手術前の絶食状態や車でのスムーズな長時間移動、抱っこができないなどを考えて、無事に連れて行けるイメージが全く起きません 😥 

まだ小さかったら近場でかつ、暴れても手に負えるし被害が少なくて済むんだけど、、、

この辺の話を最初から詰めてしておくべきでした。

かかりつけ病院はハリネズミのときからお世話になってたんだけど、近場のもう少し大きな動物病院にもできるかどうか相談してみようかな。

 

大きくなってから避妊手術をしても、発情時のような行動が起きている(行動が習慣付いてしまったからか?)と聞いたこともあるし、いやいや、そんなことはないパッタリと治まるとも聞く(理屈としては大人しくなるはず)。
卵巣周りの組織が卵巣のようにホルモンを出すとかどうとか、、、(←デマか?)

 

まだまだ耳にする例が少なく、実際はどうなのかよく分からない。

去勢・不妊手術は正しいのか?

自分の飼っているペットをどう扱うかは各々飼い主が決めるしかない。

犬猫のことも参考に調べていたけれど、基本的に去勢・避妊手術をすることが飼い主にも動物にとっても良好な関係を築く上でゴールドスタンダードなように思える。

不本意な繁殖を防ぐため、発情による問題行動を減らすため、発散されない発情のストレスを抱えさせないため、将来的な生殖器系やホルモンの関わる病気トラブルを未然に防ぐため、、etc.

 

少数派だけど手術をしないことを選択する人々のもっともらしい意見もある。

尿失禁が起きる可能性があるため、肥満傾向になるため、ホルモンバランスの乱れによる様々な病気の発症を防ぐため、関節障害のリスクを増大させないため、そもそも不要な臓器などないため除去する必要が無い・不自然だ、、etc.

 

国によっても考え方の傾向に違いがあるようだ。
日本やアメリカはどちらかというと施術を推奨される雰囲気だが、最近ヨーロッパでは極力避ける傾向だとか。

犬の避妊去勢ついての記事・動画なんだけど詳しくまとめられたものを見つけたのでご興味のある方はどうぞ 😉 
【去勢・避妊手術って義務?】意外と知らないこと。【去勢・避妊手術って義務?】意外と知らないこと。-1 (doggybro.com)
犬の去勢・避妊のメリットとデメリットについて

実際には解明されていないことの方が多い。

実際に発情しきった犬猫と触れ合ったことがないので何とも言えないが、比較すると発情したブタの方が手に負えないんじゃないかなぁと感じる。

単純に力が強いし重いしパニックになったり暴れたら飼い主さえ制御できない、と言うことは誰もコントロールできない、、、汗

なので、そのうち明らかな避妊去勢のデメリットが解明されたとしても、ペットとしてのブタの飼育のしやすさのメリットの方が勝って、ブタに関しては施術することがゴールドスタンダードの考えのままじゃ無いかなぁ。

あとブタは単純に発情周期のサイクルが早く、犬猫なんかよりもより女性ホルモンにもさらされ続けるならやっぱり生殖器系の病気のリスクが高いよね。

実際に2~3歳くらい?のブタを避妊手術した飼い主さんの情報提供によると、その歳でガッツリと卵巣に嚢胞がある摘出写真を見せてもらったし。

 

 

動物のことを考え出すと結局はアニマルライツとは何か?という問題へたどり着く。

いくつかその関連の本を読んだことがあるけど、今まで生きてきて動物の倫理を割と真剣に考え出したのがここ数年くらいなので、自分の中にその概念を落とし込む作業に骨が折れる。

比較的新しく、広く浅く(といっても全くの初心者からしたらだいぶ濃い内容に感じる)理解しやすいと思った本を紹介しておく。

以前から考え方として気になっていたことではあるが、この本でもペットに関する項目に”アンチナタリズム”という考え方がある。

日本語にすると”反出生主義”といった仰々しい響きになる(汗)

ざっくりだと、子どもを産むべきでは無い、または道徳的に良くないといった考え方であると自分は理解しているが、twitterなんかではこの主張をしている人は結構叩かれやすかったりしている 😕 

ペット動物に限局して考えると、無理な交配を繰り返した結果、健康面で障害を抱えた品種の存在や繁殖をコントロールできずに増えすぎ殺処分されゆく動物たちを思うと、いたずらに生まれてくることは良いことと思えない。

犬猫のような愛玩動物は人間と共生してきた歴史が長く、野生下では生存が脅かされ、いかに適切に人間によって世話をされるかが幸福のカギとなる。

人間が管理し、人間に飼い馴らされてこそのペット動物の幸せがあると考える一方でその奴隷的な存在意義は何なんだろうとも思う。

「いくら大切にされるからといって、隷属させられることが生存の基本条件になっていて、自然な生殖本能に委ねると不幸になり、去勢がむしろ幸せをもたらすような動物は、その最も根源的な生の次元においては生まれることそれ自体が不幸な存在だということになろう」(p168)

 

ブタのような一般的には家畜とされている動物をペット化するとまた状況が異なる。

家畜として本来の動物らしい生を与えられず、実験動物としてもなおまともな生を全うできず、かといって人間に頼らず野生下で生きることも困難だと聞く。

それならばペットとして寿命まで愛されて生きていけるブタがいることは余程まともに思える。

そのうちブタも犬猫のように一般化したペットのようになるのか?

ブタ飼う人は増えてきたけど、今のところ近いうちに社会がそこまでになるとは感じない。

でもなったらなったでブタも犬猫と同じように、根本的な幸せを問われるようになるだろう。

小さく未熟なマイクロブタは突然死する子も多く、なんらかの障害を抱えて生まれる子も多い。

幸せな隷属か種として生まれず徐々に絶滅していくべきか、その他の道があるのか、そのうちもっと革新的な技術の発達や発想が生まれて哲学的にも落としどころがある方法が誕生するかもしれない。

 

このアンチナタリズムを人間に適用するとなおややこしいことになる。

人口過剰問題や環境をメインに考えると確かに一理あると思えるが、勉強が足りないので言及を控えようと思う(笑)

ただ、私事だが、不妊治療を続けてなかなか子宝に恵まれない我が家のシチュエーションとしては、子どもが生まれないことに対して救いになるような解釈もでき、まぁ精神的な頼りにならんことも無い 😐 

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